介助の基本−1
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DAY-1
1.バイタルチェックの方法
2.歩行介助の方法
3.見守りについて
1.バイタルチェックの方法
【検温のポイント】
①いつも同じ測り方をしましょう。
わきの中央部に下から突き上げるイメージで。
②汗を拭きましょう。
汗をかいていると、熱の伝導率が異なってしまい正しく検温できない可能性があります。
③直に肌で計測しましょう。
下着などに当たってしまうと、熱の伝導率が異なってしまい正しく検温できない可能性があります。
【わき式体温計の測り方】
①わきの中心に体温計をあてます。
②体温計を下から押し上げるようにして挟み、わきをしっかりし待てもらいましょう。
【赤外線体温計の測り方】
2.歩行介助の方法
■自立歩行
基本的にご自身で歩くことが出来る方へは見守りを行います。
自立度は様々ですが、転倒の危険は十分あります。すぐ後ろからいつでも介助に入れる距離を保ちながら、歩行の見守りを行いましょう。
■片手引き歩行
介護者が利用者様の横に立ち、一緒に歩行する介助方法です。
お互い前方を向けるためストレスが少なく、長い距離を移動するのに適しています。
脳血管障害などの後遺症によって片麻痺が見られる方を介助する場合は、介護者は麻痺のある側に立ち、相手の腰に腕を回して身体を支えましょう。
①右利きの利用者様の場合、原則として介護者はその左側に立ちます。
②寄り添う形で相手の脇に右腕を差し込み、左手で相手の左手を握ります。
■両手引き歩行
①利用者様の両肘を卵を持つような形で優しくやわらかく支えましょう。
②声掛けを行いながら、利用者様の歩行に自分が合わせるようにしましょう。
③絶対に引っ張ってはいけません。皮膚がめくれてしまったり、アザになりやすいので要注意です!
④介助者は後方にも十分注意しながら介助を行なうようにしましょう。
⑤麻痺やパーキンソンなど障害の度合いによって介助方法も異なるため、必ず先輩にどんな対応をすればいいのかを確認しましょう。
【歩行についての注意点】
勝手な判断で介助を行なうのは大変危険です。必ず先輩から一人ひとりの状態を確認し、介助方法のメモをとってから介助に臨みましょう。
①ズボンの裾の長さに気をつけましょう。足にまとわりつくような長さや形状のズボンは危険です。ウエストゴムの緩みも注意しましょう。
②スリッパなどのかかとまで包み込まない履き物は、脱げたり滑りやすく、転倒の危険が高いのでNGです。ご家族と共有し、履き替えてもらいましょう。
③脱ぎ履きやすいためサイズの大きい靴を選びがちですが、脱げやすいので危険です。靴を選ぶ際には、足のサイズに合った軽くて滑りにくい靴にしてもらいましょう。
3.見守りについて
【見守りについての注意点】
①いつでも全体を見渡せる位置で業務を行うようにしましょう。
事故の予防はもちろん、起こってしまった事故の状況などをしっかり把握し、伝える必要があるからです。
②記録をつける際は、立ち上がりが頻回で転倒の危険が高い方のそばで入力するようにしましょう。
③フロアを離れる際は、必ず「フロアを離れます」と伝え、誰かに見てもらえる状況になってから席を離れましょう。
④常に物音や声、足音などに敏感になりましょう。
⑤利用者様が席を立とうとするときは「どうしましたか?」と、まずは話を聞いてあげましょう。「立たないでください!」はNGワードです。
⑥利用者様がして欲しいことが自分には出来ない場合は他の職員を呼び、対応方法を確認しながら覚えていきましょう。