1.個人情報について
■利用者様情報・スタッフの個人情報に関して
介護は利用者様のプライバシーにかかわる仕事です。
援助での過程で利用者様の生活暦や疾病、家族関係などの基本的な情報はもちろんのこと、利用者様とのかかわりのなかで打ち明けられるさまざまな訴えに触れることがあります。知り得てしまう利用者様のプライベートな情報は自覚を持って取り扱わなければならないことを十分理解することが必要です。
■プライバシーの尊重と礼儀
⑴不必要な関心と介入の禁止
勝手に個人のものを見てまわることはしてはいけません。必要な場合は利用者様・ご家族に理由を話し了解を得てからにしましょう。不用意に写真・動画で撮り、他者へ共有することも禁止です。
⑵嘘や悪口・愚痴話の禁止
利用者様と2人きりだからといって、他者の悪口や愚痴話をするのはいけません。 また、嘘をつくような不誠実な態度はプロとして許されません。スタッフ同士でも同様です。
⑶専門職としての話題提供
信頼関係を築くのは親近感が沸くような身の上話などではありません。 プライバシーに関することはできるだけ避け、専門職としての情報提供を話せるようにしていきましょう。
⑷私的感情による個人的な訪問は避ける
上長に報告せず、勝手に訪問するなどはやめましょう。 入院された利用者様のお見舞いなども上司の許可を得てから行いましょう。
■秘密保持について
業務上知り得た利用者様の秘密を他者に漏らしてはいけません。
また、利用者様が知られたくないと思っている場合があるため、執拗に聞きだしたりしないようにしましょう。誰が聞いているか分からないような場所での会話は特に気をつけましょう。
■個人情報の取り扱いについて
⑴契約書等の書類の取り扱い
書類には利用者様やご家族の個人情報が記載されています。 プライバシー保護の意味からも、契約書等の取り扱いを慎重に行いましょう。(見える場所には置かないこと!)
⑵記録類の取り扱い
スタッフだけでなく、所属するエリア、各施設内でしっかりと責任を持つことが大切です。特に複数施設をご利用する場合やスタッフがヘルプに入る場合も同様です。記録や書類に関することは上長へ必ず確認し、了承を得ることが大切です。
⑶利用者様の元に記録・書類などの置忘れをしてはいけません。
よく見守りの中で書類等の事務作業を行なうことがあります。必ずファイルに挟んだり、箱に入れたり見えない配慮をしましょう。出しっぱなしは禁止です。
⑷記録書類は所定の場所に施錠をして保管しましょう。
記録の途中であっても机の上に置いたままにしないこと。必ず閉じてロックをかけましょう。
⑸業務上知り得た情報は他言を避け、記録・書類は仕事以外のところでは使用しないようにしましょう。
事例検討で使用する場合は個人が特定できるような項目をふせましょう。
⑹介護上問題にならないことや不要なプライバシーは記録に書かないようにしましょう。
【厚労省ガイドラインには・・・】
「個人情報」とは、個人に関する情報であって、情報に含まれる氏名、生年月日、そのほかにより特定の個人を識別することができるものをいう。
「個人に関する情報」は、上記に限らず、個人の身体、財産、職種、肩書き等の属性に関して、事実、判断、評価を表すすべての情報のことをいいます。写真情報や、映像、音声による情報も含まれています。利用者様はもちろんのこと、ご家族、CM、スタッフなど、すべてに関わる人たちの知り得た情報について責任と自覚をもった上で職務にあたりましょう。
■外部からの訪問に関して
様々な理由で日々、施設には外部からの訪問があります。
ご家族・親族、利用者様の知人または友人、業者、消防、警察、行政、CM等たくさんの方が施設を訪れることがありますが、次の点に気をつけましょう。
⑴突然の訪問者は不用意に中に通してはいけません。
「〇〇さんの知人です」と言ったからといって、突然の訪問者に対して不用意に中に入れるのは望ましくありません。事前に約束がある場合やご家族より連絡がある場合にはお通しして良いと思いますが、状況によっては身分証の提示や来訪者用の受付シート等を記載してもらい確認を怠らないようにしましょう。
前もってお約束がない訪問に関しては上長等に確認してから中へお通しするようにしてください。突然来た場合には、「ただいま上長に確認して参りますので、失礼ですがこちら(玄関先)でお待ちいただいてもよろしいですか?」と、一度断りを入れて扉をしめ確認をしてから入室いただくようにしましょう。
⑵なるべく他利用者様の迷惑にならない場所・時間帯で訪問してもらいましょう。
送迎時間に重なりスタッフが少ない時間帯や、利用者様が多い場所(フロア内)での対応は極力避けましょう。訪問者の突然の来訪で対応が難しいときは「ご家族や上長の確認が取れないので申し訳ございませんが、日を改めていただくことは可能でしょうか?」と後日に訪問していただけるようお願いすることも覚えておきましょう。勝手な判断で施設内に不特定多数の方を入れるのは安全上の理由からもやめましょう。