1.チームケアについて
■施設設備・備品の事前確認
施設内には様々な設備や備品があります。各施設の備品の置き場所、設備に関するルールは事前に確認しておきましょう。
【設備】
⑴非常警報装置
警報装置を使用する際の方法を確認し、施設住所・電話番号も必ず確認しておきましょう。
⑵消火器設置場所
各部屋ごとに必ず設置してあります。消火器の使用方法や火災の際の緊急体制、火災の予防をマニュアルで確認しておきましょう。
⑶避難経路の確認
誘導の際の経路確認、また避難場所までの誘導方法と経路も併せて確認しておきましょう。
⑷配電盤の確認と操作方法
ごく稀ですが、電源が落ちることがあります。その際の配電盤や操作方法も確認しておくことが大切です。
⑸給湯器等の使用方法
お風呂、台所の給湯器は使用方法を必ず確認し湯温等は毎回確認してから使用するようにしましょう。
⑹エアコン・ガス・清浄機・加湿器等の使用方法
電化製品等の使用方法や注意事項は必ず確認し定期的に清掃するようにしましょう。
⑺送迎車の確認と使用方法、点検等の確認
送迎前と後の車両点検、月末車両点検、介護車両の使用方法を確認しましょう。
⑻施設内各室内の使用方法、備品置き場所等確認
各部屋の使用用途や更衣室、休憩場所、喫煙場所、備品管理の場所を確認しルールも聞いておきましょう。
⑼施設内封鎖場所の確認と注意事項
各施設によって異なりますが、封鎖領域がある施設もありますので、必ず管理者に確認しておきましょう。
【備品】
●オムツ・リハパン・パッド等の施設備品確認
●血圧計、体温計等の置き場所と交換電池類の確認
●レク用品等の置き場所確認
●書類関連、記録書類保管場所確認
●緊急連絡先、連絡系統、施設マニュアルの置き場所確認
●倉庫内備品類の確認
●非常時の備蓄保管類の場所等確認
●車椅子の使用方法確認
●利用者情報、送迎ルート、緊急連絡先の保管場所確認
■設備・備品の取り扱いについて
●備品や設備、車両すべてにおいて会社のものであるということを自覚しましょう。
●カップ1つでも会社の大切な備品です。備品の管理や清掃、点検に至るまで一つ一つ丁寧に扱いましょう。
●施設のものを雑に扱ったり、家に勝手に持って帰ったり、傷をつけないようにしましょう。
●傷つけたり破損させたり失くした場合はすぐに上長へ報告し、場合によっては始末書を記入する必要がありますので十分注意してください。
■介護車両の取り扱いと事故について
●事故や事件が起こった場合は絶対にその場で判断せず、まずは落ち着いてその場で管理者へ連絡を入れましょう。
●指示に従って行動をし、残りの送迎者や乗車している利用者様の代替車両の手配を迅速に行いましょう。
●車両内には緊急連絡先・送迎ルートを必ず準備しておきましょう。
●悪天候などの準備としてチェーンやタイヤ、雨具などを常備し点検をしておきましょう。
●利用者様の急な体調変化を想定し、ごみ袋、マスク、ゴム手袋、リハパン、パッド、施設でお貸しするズボンや上着などがあれば一緒に積んでおくと良いでしょう。
■チームとしての心構え
チームケアは、スタッフ同士の協力関係で成り立ちます。チーム内では自分の考えやイメージしていることを互いに共有できるよう言葉にして伝えます。そのためには、「自分の伝えたいことを正確に短くまとめ相手に伝える」「相手の伝えようとしていることを正確に聞き取る」ことが必要です。それがコミュニケーション能力です。
【コミュニケーション能力を上げるためには?】
●「大丈夫?」「手伝います」など、気くばりの言葉をかける意識を持ちましょう。
●「ありがとう」と感謝の言葉を掛けましょう。
●「おつかれさま」とねぎらいの言葉を掛けましょう。
●自分の仕事の効率化を図り、他の人のフォローがいつでもできるよう行動する意識を持ちましょう。
●興味がないからと無関心にならず、他の人やもの、事柄に関心を待ちましょう。
施設ではお互い何も話さず一日が過ぎるということはないはずです。気くばりやねぎらいの言葉を一言添えてみてはいかがでしょう。ちょっとだけ意識して、毎日繰り返し行っていくことで自然にできるようになっていきます。決して難しいことではありません。
■施設マネジメント
チームケアが成り立つために必要なもうひとつは、コミュニケーションで伝わったことが仕事でいかされる工夫、つまりマネジメントです。介護施設のマネジメントとは、チームケアの充実を目指して、スタッフひとり一人の個性や能力が最大限にいかされる工夫のことです。施設には入浴の上手なスタッフもいれば、レクリエーションが得意なスタッフもいます。明るい雰囲気を作り出すのが得意なスタッフもいれば、根気強く利用者と向き合うのが得意なスタッフもいるでしょう。そのようなスタッフたちの長所を、チーム内で最大限に有効に活かす工夫ということです。それぞれの短所もみんなでフォローしあうことによって、チーム内の不備不足を最低限に抑えることができます。
そして、役割を持って配置されたスタッフは、自分の役割だけでなく他のスタッフの役割にも関心を持つこと。サッカー選手が、「わたしはフォワードだから守りは知りません」「わたしはディフェンスだから攻撃は知りません」などと言っていたら、試合が成り立ちません。一緒に働くスタッフ同士も自分の持ち場を守りつつ、他のスタッフの役割にも関心を示し、必要なときにはフォローができるようにしましょう。
介護施設のマネジメントとは、『スタッフの魅力や能力をチームに十分役立てること』『スタッフの能力の限界をチームで補い合うこと』また『そのための工夫をみんなで考え・行動すること』です。
【チームケアマネジメントの注意点】
⑴勝手な判断は絶対しない
勝手な自己判断によって引き起こされる事故やケガ、思わぬクレームは場合によっては裁判に発展することもあります。
良かれと思ったことでも勝手に判断したことで重大なミスを引き起こし、チームに迷惑をかけてしまうこともあります。
●施設内ルールを確認し、遵守しましょう。
●わからないことをそのままにせず、確認しましょう。
●疑問に感じたことはすぐにチームリーダーや先輩、管理者に尋ねましょう。
●CMやご家族など、外部の方に尋ねられた内容でわからない場合は必ずその場で即答せず、「一度確認し、すぐご連絡いたします」と返答し、速やかに相談員や管理者に報告して指示を仰ぎましょう。
●どんなに小さなことでも自分の行った行動に責任を持ちましょう。
⑵報連相を徹底しよう
●施設内で起こるすべてのことについてスタッフで共有するクセをつけましょう。
●解決した案件に関しても必ず管理者や相談員に報告しましょう。
●些細なことでも上長に相談し、確認するようにしましょう。
●困ったことや疑問がなかなか解決しないときは上長や本部に問い合わせてみるのも大切です。
●指示されたこと、教えてもらったことはメモを取り、振り返りが出来るようにしましょう。
■施設内SNSの注意点
施設内ではPCを使ったeメールやグループラインなどのツールを使って報連相を行ったり情報を共有することが多くあります。そのため、最低限のルールやマナーをしっかりと覚えおきましょう。
⑴利用者様の身体状況を個人携帯で撮影することは絶対禁止です。身体状況や事故状況などに関する画像は、iPadまたは社用携帯電話でのみ記録作成を目的として撮影し保存することができます。
⑵撮影した画像を個人携帯へ送ることは禁止です。ただし、レクの様子など、上長・管理者・相談員から依頼された場合や了承を得たものに関しては相互間で確認の上、送信することは可能です。
⑶利用者様の個人名を発信する場合は必ず一部を伏字(上〇様など)にして対応しましょう。但し、特定のツール環境における社内共有はその限りではありません。
⑷利用者様の個人情報を管理者や社員に許可を得ず勝手に職員間でやりとりしたり、アップしてはいけません。
⑸グループラインや個人ラインへの連絡や報告は時間帯に注意しましょう。緊急時を除き連絡する際は、送信時間や礼節を守りましょう。(9時―19時の間が望ましい)相手が休日の場合は失礼を詫びてから要件を短的に述べましょう。
⑹親しき中にも礼儀あり。職場の同僚や上司は友人ではありません。同じ目標に向かって一つのことを達成するための仕事の仲間です。たとえ絆が深まっていても節度を守り、なれなれしくし過ぎず、時と場所をわきまえ敬語を使うなどの配慮が必要です。
⑺職員同士のSNSやメールで他人の悪口や愚痴などのやりとりは行ってはいけません。言う方も言われる方も決して気持ちのいいものではありません。個人的な情報を本人に無断で教えたり、知り得た情報を勝手に拡散することは犯罪にもなりかねません。そういう状況を目にしたり、実際に送られた際は事実のみを正確に管理者や上長へ報告しましょう。
⑻言葉遣いに気をつけましょう。顔を見て話せば表情から気持ちが伝わることもありますが、メールなどの「文字」での表現は同じ言葉でも冷たく感じたり、誤解を招くことがあります。
SNS上では見えない相手への気遣いや心遣いを考えた上で、言葉を選ぶようにしましょう。スタンプだけの返事や面倒だから一言だけで終わらせるような相手への配慮に欠けることはしないよう気をつけましょう。