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緊急時対応

1.緊急時の対応の手順​

■事故・病状急変及び急病等発生の場合

① 利用者様の状態(身体損傷、バイタル、酸素飽和度、意識レベルなど)を確認します。

② 速やかに管理者、専務に報告し判断を仰ぎましょう。

③ 管理者よりご家族、緊急連絡先、CMへ速やかに状況等を報告しましょう。

④ 医師、協力医療機関に状態を連絡し、指示を受けましょう。

⑤ 経過観察を行う場合には、状況・病状などを必ず上長、管理者、CM、ご家族に連絡し、絶対に現場のみで判断を行わないようにしましょう。

⑥ 事故、病状急変時の状態、医師・医療機関等から受けた指示内容など(時刻・症状・対応等)を正確に記録します。

※事業所管理者は通院治療が必要でないと思われる場合であっても、その概要をご家族、CM、上長に原則文章で報告することが必要です。(やむを得ない場合は口頭で実施し、後ほど作成すること)

 

2.管理者の対応手順

① スタッフから連絡を受けた際は、早急に現場に駆けつけましょう。どうしても困難な場合は、自分と同位以上の職責者へ一時的な代理対応を依頼します。

② 利用者様の正確な状態や状況を把握し、関係各所及び上長に報告しましょう。

③ 現場判断での経過観察は絶対に行わず、必ず主治医、ケアマネージャー、ご家族に報告し、対応について協議の上、書面で記録に残しましょう。

④ 事故、病状急変時の状態等(時刻・症状・対応等)を正確に記録します。

⑤ 事故等の原因を究明し、全職員・法人全体で共有し、再発防止を図りましょう。

 

 

3.緊急時の連絡体制

 

※別紙参照。

 

 

4.症状別の対応マニュアル

 
 
■転倒・転落した場合

【対応方法】

●呼びかけで意識状態を確認します。呼吸困難や呼吸が停止している場合は、気道を確保し、心肺蘇生を行います。

●速やかに上長へ報告し、救急車を呼びます。AEDを設置している場合は使用してください。

●意識があり、呼吸が安定しているときは、安全な場所に移動して、衣服をゆるめ回復体位をとります。頭部・頸部・背部を打った恐れがある場合には頚椎損傷の疑いがあるので頭を動かしてはいけません。

 

【注意のポイント】

頭部を強く打っていると、頭蓋内出血や頚椎損傷を起こして致命傷になる危険性があります。そのときに症状がなくても1〜3日後や1か月後、数か月後に症状が出る場合もあるので、頭部を打った場合は、長期にわたって丁寧に観察するなど注意が必要です。症状が出ていない場合にも必ず受診する様にしましょう。

 

【対応のチェックポイント】

□意識レベル、呼吸の確認をしましたか?

□速やかに上長に報告し、判断を仰ぎましたか?

□バイタルサインを測定しましたか?

□出血、コブなどの外傷の有無を確認しましたか?

 

 

■嘔吐した場合

重大な病気が隠れている可能性があります。的確な観察と判断をして緊急受診をすることが重要です。

 

【対応方法】

①衣服をゆるめ、横向きに寝かせて口の中に残った吐物を取り除きます。その際にも感染の危険性がありますので、吐物には直接触れないように手袋を着用し行います。嘔吐を繰り返す可能性がありますので洗面器などを置き、嘔吐を我慢させず吐かせてください。

②バイタルサインを測定し、頭痛・下痢・腹痛・発熱・脱水症状・誤嚥の有無などの症状を確認します。その後速やかに上長に報告し、判断を仰ぎます。

③嘔吐が落ち着き次第、利用者様に負担がかからないようにOS-1などの経口補水液を少しずつ飲ませる事も大切です。

 

【注意のポイント】

誤嚥の恐れがあるため、顔を上に向けて寝かせてはいけません。症状が悪化する場合があるため、吐き気止めを飲ませてはいけません。意識や呼吸状態が悪い場合や、吐物に血が混ざっている場合は、直ちに緊急受診を行うようにしてください。

 

【対応のチェックポイント】

□衣服をゆるめて顔を横向きにしましたか?

□速やかに上長に報告し、判断を仰ぎましたか?

□嘔吐以外の症状を確認しましたか?

□吐物の内容を確認しましたか?

□施設内で他に嘔吐している人がいないか確認しましたか?

■誤薬した場合

薬の飲み合わせによっては重篤(じゅうとく)になる場合もあります。時間経過していても必ず医師に連絡してください。

 

【対応方法】

①あわてずに呼びかけで意識状態を確認します。

②速やかに上長に報告し、指示を仰ぎます。

③意識があり、誤薬直後であれば、コップ1〜2杯の水を飲ませて吐かせます。入れ歯は外し、吐物が喉に詰まらないように前かがみで吐かせます。(吐かせる行為はできる限り看護師が行ってください)※少しでも不安があれば無理をしてはいけません。

③バイタルサインを測定し、頭痛、手足のしびれ、けいれんの有無などを確認し、全身状態を観察します。

④飲んだ薬を調べ、主治医に連絡し指示を仰ぎます。

 

【注意のポイント】

水の代わりに牛乳を飲ませてはいけません。誤薬した薬の成分が身体に吸収されやすくなることがあるからです。

水を飲ませた後、右側を下にして寝かせてはいけません。腸への吸収が早まることがあります。

 

【対応のチェックポイント】

□意識レベル・呼吸の確認をしましたか?

□速やかに上長に報告し、判断を仰ぎましたか?

□誤薬直後の場合、水を飲ませて吐かせましたか?

□バイタルサインを測定しましたか?

□誤薬の種類、量、飲んだ時刻を調べましたか?

■高熱が出ている場合

発熱は何らかの病気や不調を示していることが考えられます。熱を下げることだけにとらわれず、対応することが必要です。

 

【対応方法】

①バイタルサインを測ります。

②速やかに上長に報告し、判断を仰ぎます。

③他に症状が出ていないか確認します。けいれん、呼吸苦、しびれが見られた場合には要注意です。速やかに緊急受診が必要です。

④38℃以上の高熱の場合にはクーリング(冷却)を行います。吐き気がなければOS-1などの経口補水液でこまめに水分補給を行います。

 

【注意するポイント】

自己判断で、解熱剤を服用させてはいけません。解熱剤で急激に体温を下げると、免疫力の低下や回復の遅れを招くおそれがあります。必ず医師の指示を受けて与薬をします。

 

【対応のチェックポイント】

□バイタルサインを測定しましたか?

□速やかに上長に報告し、判断を仰ぎましたか?

□しびれ、呼吸苦が無いかなど、その他の症状を確認しましたか?

□38℃以上の際にはクーリング(冷却)は行いましたか?

□経口補水液などで水分補給を行いましたか?

■意識障害がでた場合

まず、意識障害の程度を確認します。生命に関わる場合もあるので、迅速に対応することが必要です。

 

【対応方法】

①まず呼吸状態を確認します。呼吸が停止している場合は速やかに救急車を呼びます。

②その後上長に報告し、判断を仰ぎます。

③呼吸の確認が取れた場合は安全な場所へ移動し、衣服を緩め、義歯がある場合は義歯を外します。

④バイタルサインを確認するとともに下記の症状を確認します。

●意識レベル(名前の呼びかけに反応があるか、手を握る指示に応じられるか)

●眼球の向きや瞳孔の状態(焦点が合わない、瞳孔が開いている)

●けいれんの有無

●手足のしびれ・麻痺の有無

●嘔吐や失禁の有無

 

【注意するポイント】

嘔吐がある時は吐物が気道に詰まる危険性があるので仰向けに寝かせてはいけません。必ず回復体位(横向き)で安静に保ちます。

 

【対応のチェックポイント】

□声掛け・痛みの刺激等に反応はありましたか?

□上長に報告・指示を仰ぎましたか?

□意識障害のレベルを確認しましたか?

□呼吸をしていない場合は気道確保し、AEDの使用や心肺蘇生を行いましたか?

 

 

■誤嚥した場合

誤嚥とは、食べ物や唾液が気道に入ってしまうことです。重篤な場合は呼吸困難になり高い危険性があります。

 

【対応方法】

①誤嚥があり、咳が出ている場合は異物を排出しようとする反応ですので、そのまま咳を続けてもらいます。

②すみやかに上長に報告し、指示を仰ぎます。

③意識がない場合や呼吸困難が見られる場合は、速やかに救急車を呼びます。

④異物が出ない場合は、背部叩打法(タッピング)を行い誤嚥したものを吐き出させます。

 

【注意するポイント】

異物を喉の奥や肺に押し込んでしまうことがあるため、喉の奥に強引に指を突っ込んではいけません。掃除機で直接吸い出そうとしてはいけません。ほとんど効果がないばかりか、口の中を傷つける可能性があります。背部叩打法(タッピング)は、利用者様の意識がない場合は施行してはいけません。

 

【対応のチェックポイント】

□意識レベル・呼吸の確認をしましたか?

□速やかに上長に報告・指示を仰ぎましたか?

□バイタルサインを確認しましたか?

□意識がない場合や呼吸困難の場合は、速やかに救急車を呼びましたか?

5.経過観察の同意について

ご家族やCMへ状況の報告を行うと、多くの場合が経過観察を指示されるかと思います。ただし、その後思いがけず、体調の悪化につながる可能性がありますが、ご家族とのトラブル(経過観察について同意の有無)になることが予想されますので、会話を録音するなどして証拠を残すようにしましょう。

 

①ご家族へ利用者様の状況について報告します。(不在時はCMへ)

②録音は全通話が望ましいですが、最低限「〇〇様」というお名前と「経過観察でお願いします」「そのまま様子をみます」などの先方からの発言、やりとりから先方が明確に経過観察を承諾したことがわかる部分を録音してください。(受話部分へレコーダーマイクをそえると音声を録音できます)

③録音後データをPCへ移し、本社へメール添付もしくは、本部へ持参してください。

 

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